クライネスでは毎年、演奏会に向けて練習し、曲を最大限作りこんでいます。入団する前にクライネスではどんな曲を演奏しているのかを知っておきたいと思うので、過去の演奏会から幾つかを紹介します!
Youtubeには他にも演奏がアップされているのでぜひアクセスしてみてください。(https://www.youtube.com/channel/UC4dHktZkmDRvS59ZxUabMEQ)
Johannes Brahms作曲『Liebeslieder-Walzer(愛の歌)』より
15. Nachigall, sie singt so schön(サヨナキドリよ、お前は美しい声で鳴く)
(2014年第49回演奏会1stステージより)
Nachigall, sie singt so schön,(サヨナキドリがあんなに美しく鳴いている)
wenn die Sterne funkeln.(星々がきらめく夜に。)
Liebe mich, geliebtes Herz,(ぼくを愛しておくれ、愛しい心よ)
kusse mich im Dunkeln!(暗闇の中でくちづけしておくれ!)
軽く解説します。『愛の歌』の名の通り、男女の恋愛をテーマにした楽曲です。しかし、愛の告白であったり、男女の会話ではなく、自らの思いを語っているのみである点が普通のラブソングとは大きく違っています。ですが、ワルツの3拍子というテンポの中で驚くべき多様性を生み出し、曲の性格、ハーモニーの変化、力強さ、叙情的表現の違いによって壮大な心情を描き出しています。(第49回演奏会プログラムより一部抜粋、改変)
※Nachigall:日本名でサヨナキドリと呼ばれ、西洋のうぐいすと呼ばれるほど鳴き声の美しい鳥のこと。別名ナイチンゲール。
Jaakko Mäntyjärvi作曲『More Shakespeare songs』より
5. A scurvy tune(喜劇「テンペスト」より)
(2015年第50回演奏会1stステージより)
The master, the swabber the bo'sun and I,(船長も水夫長も掃除夫もおれも、)
The gunner and his mate(大砲係もそいつの助手も、)
Lov'd Mall, Meg, and Marian, and Margery,(マル、メグ、マリアン、マージェリーに惚れた。)
But none of us car'd for Kate.(だがケートに惚れた奴はいなかった。)
For she had a tongue with a tang,(それもそのはずこのじゃじゃ馬は、)
Would cry to a sailor,"Go hang!"(水夫を見れば、くたばれとぬかす!)
She lov'd not the savour of tar nor of pitch,(タールと油の臭いがいやで、)
Yet a tailor might scratch her where'er she did itch;(だが仕立屋ばかり可愛がる。)
Then to sea, boys, and let her go hang!(俺たちゃ水夫だ、海へ行こうぜ、あんな女はくたばれだ!)
シェイクスピアの喜劇『テンペスト』の中の一節です。聞いたことがあるという方も少なくないと思います。嵐によって難破し孤島に漂着した一行の、コックのステファーノが酒を片手に歌った楽曲です。酒を片手に歌っている水夫の曲だけあって歌詞は飾らず際どく皮肉じみた荒っぽい楽曲となっています。ですが、伝統的なホーンパイプやバッハのブランデンブルク協奏曲第三番に類似した主音を表現するなど面白い楽曲となっています。(第50回演奏会プログラムより一部抜粋、改変)